「女子教育の殿堂」ぜひ!国の文化財に
「安房高等女学校木造校舎」 有志ら署名活動
館山に1930年建築 白鳥のような美観
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千葉県指定有形文化財の旧県立安房南高校(館山市北条)の第一校舎を補修など適切に保存して活用し、国指定文化財へ格上げしてほしいと、NPO法人安房文化遺産フォーラムと「安房高等女学校木造校舎を愛する会」が6日、知事、県教育長宛てに要望書を出した。(山本哲正)
県立安房高等女学校は安房南高の前身で、1930年に建てられた。愛する会は、旧第一校舎を地域の誇りとして後世に継承、活用を願う有志らで、フォーラムを事務局として2017年に発足。敷地の草刈りや校舎の清掃、また調査、記録などの活動を続けている。
同会によると、旧第一校舎は、関東大震災を教訓に技術の粋を集め、和洋折衷で優れた意匠を施された。左右対称に大きく羽を広げた白鳥のように美しい姿は、女子教育の殿堂にふさわしいとされた。戦後、安房南高となった。
鉄筋造りに変わる時代に、保存された木造の旧第一校舎は、1995年に県指定有形文化財となった。だが、2008年に学校統合で閉校し、日常的には使われなくなったという。
同校には、明治期以降に先駆的な女子教育が果たされてきたことなどの貴重な教育資料も多く残されている。歴史的価値は高く、木造校舎は学校博物館としての活用も期待される。一方で閉校から時がたち、校舎は塗装の剥げや損傷も進んでいる。
同会は、県から委託を受けていた見学会が24年度から中止になり、文化財建物の放置と劣化を懸念して、署名運動を展開。要望書は「市、県、国と地域住民が一丸となって文化遺産を未来に継承するため、国指定文化財への格上げを要望する」としている。
要望書に添えられた署名は紙、オンラインで計3,156人分。引き続き署名を募っている。オンライン署名は=QRコード=から。問合せは、安房文化遺産フォーラムの池田恵美子さんへ。
安房南高校旧第一校舎の保存活用と国文化財への格上げ求め
2団体が県と県教委に要望書と署名提出 館山
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(房日新聞 2025.3.9.)
NPO法人安房文化遺産フォーラム(愛沢伸雄代表)と安房高等女学校木造校舎を愛する会(片方義明会長)は6日、館山市北条の県指定文化財「安房南高等学校旧第一校舎」の保存活用および国指定文化財への格上げを求め、県と県教委に要望書と3156筆の署名を提出した。
同校舎は、関東大震災を契機に耐震構造で建設され、古い日本の木造建築と西洋建築の要素が融合したデザインが特徴だ。1930年に建築されたこの校舎は、中央に玄関があり、左右対称に広がる外観が当時の学校建築の典型を示している。木造2階建ての構造は欄間付き格子窓が並び、開放的な雰囲気を醸し出している。95年3月に県指定の文化財となった。
校舎は2008年に学校統合により閉校。その後、校舎を管理する県教委では一般公開を行ってきた。18年からは地元の安房文化遺産フォーラムが県教委から委託を受け、安房高等女学校木造校舎を愛する会と協力して、校舎の公開を実施してきた。23年の公開には地域内外から約760人が訪れ、校舎内に残る貴重な教育資料などを見学した。
しかし、24年からは防火設備の問題で公開が中止され、現在は維持管理が行えない状況にある。
両団体は、保存と適切な管理を求め、昨年7月から署名活動を開始。用紙とオンラインで計3156筆の署名が集まった。また、要望書には、他地域の先進事例を参考に、文化財を生かしたまちづくりの一環として、国指定文化財への格上げの必要性も訴えている。
要望書と署名は同日、愛沢代表と片方会長が館山市コミュニティセンターで県文化財課の職員に手渡した。
片方会長は、「一般公開で訪れた卒業生たちの喜ぶ姿が忘れられない。ぜひとも、再び校舎の開放を実現してほしい。また、来場者の笑顔が見たい」と述べた。また、愛沢代表は「校舎は地域にとって魅力的なランドマーク的存在であり、文化財として保存・活用することは地域活性化につながる」と語った。
両団体では引き続き多くの市民らに賛同を得るべく署名活動を展開していく。オンラインでの署名は二次元コード=画像=から。
▶ オンライン署名 ▶ 紙の署名簿PDF
安房南高等学校旧第一校舎(千葉県指定有形文化財)の
保存活用および国指定文化財への格上げの要望書
千葉県館山市では、1930 年に建てられた県立安房高等女学校の木
造校舎がまもなく100年を迎えます。関東大震災の教訓をもとに技術の粋を集めた女子教育の殿堂は、和洋折衷のすぐれた意匠を施し、左右対称に大きく羽を広げた白鳥のように美しい姿です。戦後は県立安房南高等学校となり、国内外で活躍する卒業生を多く輩出しています。鉄筋RC造に建て直される時代に、同校の旧第一校舎(以下、木造校舎と略)は保存され、1995 年に千葉県指定有形文化財となりました。
ところが、2008 年の学校統合により閉校となり、日常的に使用されなくなりました。木造校舎は心の拠り所であり、地域住民の誇りを醸成し得る文化遺産です。安房地域の観光においても、重要景観建造物として魅力的なランドマークといえます。
NPO 法人安房文化遺産フォーラムと「安房高等女学校木造校舎を愛する会」は、2017年度から清掃、草刈りなどの環境整備に協力し、翌年からは県教育委員会が主催する公開事業の委託を受け、企画運営や館内巡視もおこなってきました。しかし2024年度から見学会も中止となり、館内の立ち入りもできなくなりました。閉校から 17 年を経た木造校舎は塗装も剥げ損傷が進んでおり、人の出入りがないことで放置と劣化が憂慮されます。そこで適切な修復管理をおこない、保存・活用することを求めます。
また校内には明治期以降の貴重な教育資料も多く残されています。教員養成など先駆的な女子教育がなされていたことや、混乱した戦時下や占領軍の直接軍政下における教育なども明らかになっています。未調査のものも多い教育資料は、歴史的価値も高く、木造校舎は学校博物館としての活用も期待されます。
なお『千葉県文化財保存活用大綱』には、「県は、市町村と連携し、県として重要と認められる文化財については、県指定文化財に指定するよう取り組みます。また、国による国指定等への取組について、県及び市町村は、国と連携して取り組みます。市町村が国指定等を目指す場合においては、県は、国との連絡調整を行います」と明記されています。市・県・国と地域住民が一丸となって、貴重な文化遺産を未来に継承するために、国指定文化財への格上げを要望いたします。
関東大震災の教訓をもとに、千葉県立安房高等女学校は技術の粋を集め、和洋折衷のすぐれた意匠を施し、1930年に建てられました。左右対称に大きく羽を広げた白鳥のように美しい姿は、女子教育の殿堂にふさわしいものでした。戦後は千葉県立安房南高等学校となり、国内外で活躍する卒業生を多く輩出しています。鉄筋造に作り変えられる時代に、保存された旧第一校舎(以下、木造校舎と略)は、1995年に千葉県指定有形文化財となりました。
ところが、2008年の学校統合により閉校となり、日常的に使用されなくなりました。少子高齢化が進む現代社会において、木造校舎は心の拠り所であり、地域住民の誇りを醸成し得る文化遺産です。安房地域の観光においても、重要景観建造物として魅力的なランドマークといえます。
▶ オンライン署名はこちらから。
⇒ 木造校舎の紹介動画やパンフレットはこちらからご覧ください。
木造建築の伝統美に感銘
旧安房南高木造校舎の一般公開に760人
(房日新聞 2023.11.22付)-400x363.jpg)
県指定有形文化財の旧県立安房南高校木造校舎(館山市北条)で19日、一般公開が行われた。地域内外から760人の来場があり、木造の建築美や同校の歴史に触れ、見学を楽しんだ。
郷土の文化財の理解を深めるとともに、文化財を活用したイベントとして県教委と安房高校が毎年実施している。NPO法人安房文化遺産フォーラムが企画運営し、安房高等女学校木造校舎を愛する会が協力した。
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11月19日 ゆかりの作品や制服も展示
(房日新聞 2023.10.22付)@-312x400.jpg)
館山市北条の旧県立安房南高校木造校舎の見学会が11月19日、開催される。校舎内を自由に見学できる他、同校にゆかりのある美術作品、制服の展示なども行われる。入場無料。
郷土の文化財の理解を深めるとともに、文化財を活用したイベントとして県教委と安房高校が毎年実施。NPO法人安房文化遺産フォーラムが企画運営し、安房高等女学校木造校舎を愛する会が協力している。
同木造校舎は、関東大震災の教訓をもとに、耐震構造建築として古い日本の木造建築と当時の新しい西洋建築の要素を融合させ、1930年に建築された。
左右対称に大きく羽を広げたようなデザインや、菱形を重ねたレリーフや窓の飾りなど、建設当時の様子をよくとどめており、昭和初期の県の学校建築の姿を今に伝える建物として、95年に県の有形文化財(建造物)に指定されている。
同NPOでは「貴重な地域遺産として、木造校舎を未来に手渡しましょう」などと、多くの来場を呼び掛けている。
時間は午前10時から午後3時まで。予約は不要だが、混雑状況によって入場制限をする場合がある。
駐車場は県南総文化ホールの第1駐車場が利用可能。靴を入れる袋と上履きを持参する。また、感染症対策として手指消毒、マスクの着用を推奨している。
問い合わせは、安房文化遺産フォーラム(090―6479―3498)へ。